フォーリング・ウェイト・デフレクトメータ
TR-423, 432,424,425
高性能ながらも簡単操作
舗装の支持力を評価する非破壊試験に新時代を拓きます。
概要
 フォーリング・ウェイト・デフレクトメータ(以下、FWD と称す)は、舗装の支持力を非破壊試験によって評価する路面のたわみ測定装置です。
この種のたわみ測定装置には、従来より低速移動荷重によるペンケルマンビーム、デフレクトグラフ、振動荷重によるダイナフレクト、ロードレータなどが使用されておりますが、載荷時間、載荷方法、載荷荷重波形などに問題がありました。
 これらの問題を解決した新測定装置がFWD です。当社のFWD は最新の技術および機構を採用したTwo−Mass(複重錘)方式のFWD です。落下重錘と介在重錘の2 つの重錘を組合せ、路面に伝わる衝撃荷重の波形が実際に車が走行した時に発生する衝撃荷重波形と相似形となるように、路面に衝撃荷重を伝えます。載荷
板は、多少の路面凹凸があっても良好にフィットするように4 分割式円形載荷板となっています。また、たわみ検出器は、たわみを変位として直接測定することができる新機構の変位検出器を採用しています。さらに、計測制御にパーソナルコンピュータを用い、初期作動確認後はCRT との対話方式で1 人のオペレータが簡単に操作することができます。
 本FWD は、このように高性能ながら簡単操作も同時に実現しています。なお、FWD には発生衝撃荷重5tf、10tf、15tf、20tf の4 タイプがあります。用途に合わせて選ぶことができます。
特長
Two−Mass(複重錘)方式FWD
衝撃荷重発生装置にMass(重錘)が2 個(落下重錘、介在重錘)
あるTwo−Mass 方式を採用したFWD で、実際の車が走行した際に
発生する軸重荷重と相似波形の衝撃荷重を作り出します。
円形4 分割載荷板
円形載荷板を採用し載荷板の中心でたわみ測定ができます。さらに、4 分割された載荷板は多少の凹凸がある路面でも良好にフィットしますので接地面積が常に一定しています。したがって、層構造の理論解析との対応が良好な装置です。
たわみ検出器
たわみ検出器には、路面のたわみを直接変位として計測する変位検出器を採用しています。
測定が簡単
高性能ながらも操作は、パーソナルコンピュータとの対話方式によって条件設定、自動計測が簡単に行なえます。測定位置にセット後、測定時間は1 地点1 分程度で測定ができます。
たわみ曲線が得られる
載荷板中心以外に中心から200、300、450、600、750 、900、1,200、1,500、2,000mm(TR−432)の位置でのたわみ測定が行なえますので、たわみ曲線が得られます。このたわみ曲線は測定中にCRTでその形状を確認することができます。
データ処理が容易
衝撃荷重、たわみ量、時間、位置および温度データがその場でCRTに表示され、プリントアウトおよびフロッピィディスクに格納することができます。
装置の概要
1) 衝撃荷重発生装置
 重錘とスプリング系から構成されている簡単な単振動発生装置で、重錘をある高さから自由落下させ力を得る方
式です。発生する力(F)は理論的に次式で表わされます。
  (N)
   ここでは M:重錘の質量 (kg)
         R:バネの係数 (N/m)
         H:落下の高さ (m)
         g:重力加速度 (m/s2
発生する荷重は落下高さ、もしくは重錘の質量を変えることによって設定することができます。

2)計測センサ
 たわみの検出には、標準で10 個の変位検出器を用い、載荷板の中心および中心から200、300、450、600、750、900、1,200、1,500、2,000mm の位置でたわみを測定します。
衝撃荷重は載荷板上にある圧力変換器により測定します。
その他に、移動距離、路面温度および気温の測定を行ないます。

3)制御計測装置
 コンピュータの制御信号によりすべてが制御されます。設定条件に従い衝撃荷重を発生し、荷重、たわみ量、気温、路面温度を自動的に測定し、その結果をCRT 画面上に表示するとともに、プリントアウトおよびフロッピィディスクに格納します。

4)ソフトウェア構成

利用方法
アスファルト舗装体のたわみ量の温度補正、路床、路盤の凍結および融解などの季節変動の把握ができます。
FWD 計測データをもとに、各舗装を支持力レベルで識別することができます。
FWD 計測データから、補修工事および補修設計に関する優先リストを作成することができます。
FWD によるたわみの計測結果と多層構造理論を組み合わせることにより、さまざまな用途に利用することができるものと期待され、下記の研究が進められています。
舗装各層の弾性係数などの物性の定性的、定量的な評価
ペイブメント・マネジメント・システム(PMS)における舗装の構造評価
多層構造理論による合理的な舗装設計およびオーバレイ厚設計
路床の支持力の判定、施工の良否判定
等価換算係数(ai)が与えられていない材料(各種の工法による安定処理層など)の荷重分散性能評価
CRT画面
500MPa(TR-426) 2000MPa FWD(TR-425)
仕様
品名 50kN FWD 100kN FWD 150kN FWD 200kN FWD
Model No. TR−423 TR−432 TR−424 TR−425
型式 トレーラ式,車載式 トレーラ式 トレーラ式
衝撃荷重発生装置:Two−Mass 方式
最大衝撃荷重(tf) 5 10 15 20
落錘質量(kg) (約)200 (約)300 (約)340 (約)400
駆動方式 電動油圧シリンダおよびネグネット方式
計測装置
載荷荷重計測器 圧力変換器
最大計測荷重(kgf) 5,000 10,000 15,000 20,000
たわみ量計測器 変位検出器
計測範囲(mm) 0〜2.5 または0〜5
標準装備個数 7 10 7 7
標準設置位置(mm)
(載荷板中心を0
としての距離数値)
0、200、300
450、600、900
1,500
0、200、300、450
600、750、900
1,200、1,500、2,000
0、300、450
600、900、1,500
2,500
0、300、450
600、900、1,500
2,500
外気温度計測器 IC 温度計
路面温度計測器 放射温度計
距離計測器 車輪回転数検出センサー
制御・記録装置:バーソナルコンピュータ式
制御項目 衝撃荷重発生装置および計測装置
記録項目 各たわみ量(μm)、載荷荷重(kgf)、外気温度(℃)、路面温度(℃)、
スタート地点からの距離(m)、計測時の時刻(何時:何分)および各種計測メモ
記録装置 プリンターおよびフロッピーディスク
制御・計測ソフト システムモード、測定モード、データ処理モード
計測時間 約1 分/1 箇所
駆動電源装置:発動発電機およびバッテリー式によるDC12V
外形寸法(約)
(全長)×(全幅)×(全高) (mm)
FWD 本体
4,100×1,875×2,600
車輌
5,000×2,000×2,570
FWD 本体
4,750×2,150×2,600
FWD 本体
4,750×2,150×2,600
総重量(kgf) (約)1,200 (約)3,200 (約)1,600 (約)1,800
けん引車輌の装備 必要 不要 必要 必要
車検※ 登録不可 登録可 登録不可 登録不可
※ FWD をけん引して公道を走行するには、けん引する車輌とともに、FWD 本体(トレーラ)を陸運局または陸運事務所に届出を行ない
審査・検査・登録を受ける必要があります。
〔記載内容は、お断りなく変更することがありますので、ご了承ください。〕
〔写真提供:建設省土木研究所長殿、新東京国際空港公団殿〕
※機能、性能向上などのため予告なしに変更することがありますのでご了承ください。
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